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フルアコ
このページでは,私Hammerzakの音楽機材のうち,ジャズには欠かせない「箱もの」,フルアコのギターをご紹介いたします。
追記:2006年は「ジョージ・ベンソン」モデル2本を入手。このために使わない他の機材が多く売却され、「機材大整理」の年となりました。
追記2:2015年11月,ギブソン系とアイバニーズ系の二種類にレイアウトを分けました。

Gibson ES-175D
ジャズギタリスト必携モデル
Gibson ES-175D 1961Gibson ES-175D 1961

 コレクションの中で最も高価なギター。とはいえ相場より10万円は安かった。1996年12月に下北沢Windから購入。ほぼオリジナルで2PAF,状態は最高。ネックも真っ直ぐで,1961年に作られたものとは思われない。通販だが店の対応も最高。

 購入直後,弦交換をしようとしたら,「ボロッ」という音と共にペグが崩壊したことがあった。青ざめて北九州のCrewSrutに電話。ギブソン純正のペグを購入し,交換した(オリジナルは保管してます)。セルロイドのオールドペグは経年変化でもろくなるらしい。しかし,前オーナーは一体弦交換の時どうしていたのだろう。

 ライブで使用したところ,ハウリングを起こすことがあったので,ブリッジをギブソンのABRに交換したら症状が収まった。木製ブリッジはボディの鳴りを直接伝導するが,メタルだとそれが緩和され,その分材質でサスティンを補うようになるようだ。それだけ金属的な音になるとも言えるが。今はまた木製に戻している。

 音質,ルックス共に至高の1本。いわゆる「ジャズの音」が容易に出せ,「PAF神話」もあながち嘘ではないと感じさせられる。リアでカッティングしてもいけます。ただ,細ネックが弾き易すぎて,こればかり弾いていると他の楽器が弾けなくなることと,唯一自分より年上のギターということで,酷使するのが怖く,扱いに関し「守り」に入ってしまうのが難点と言えば難点。が,死ぬまで大切にしたいギターである。

(追記)修理・パーツ交換履歴
1996年 ペグ交換
Gibson ES-175D 1970'sGibson ES-175D 1973

 1995年、20代最後の夏を記念して初めて行ったニューヨークの「48st Custom guitars」にて購入。ここは日本の「ESP」直営,店員は日本人であり,値切りやすかった(笑)。当時1ドル90円位の円高であり,このギターは1800ドルであったから,割と安く買えた。
 同じモデルでありながら,上のとは別物と言ってよい。見た目の相違点をまとめると,

1 ヘッドがでかい。
2 ネックは3ピースで極太。
3 PUカバー,テイルピースがクロムメッキ。
4 ピックガードはボディに直接ネジ留め。
5 木製ブリッジには各弦の段差がない
6 fホールが大きめ
7 fホール内のラベル(「オレンジラベル」でない)
8 ノブの形状
9 テイルピース形状

と,色々ある。重量も'61よりある(板が厚い?)。わずか10年でこうも違うのかと。これは一応1970年製と言われたが,厳密には70年代前半,位しかわからないと思う。カラマズー製。購入当初はビンテージ的な価値はほとんどなかったが,2010年現在,状態のよいものはかなり高騰してきているようで,40万円近くで売られていたりする。私としては1961年製175を持ち出すのはちょっと怖いので,気軽に扱えるこのギターがオーソドックスなジャズセッション時のメインとなっている。独身時代最後の頃,奄美でのハコバンでは,ライブハウスに置きっぱなしであった(笑)が,それだけ活躍しているギターと言える。サウンドはブライトで,上のに比べると陰影が無く,開放的な感じ。フュージョンチックな印象もある。ひょっとして作られた時代の音を反映しているのか?

 フルアコにシビアな方は,いわゆる「トップ落ち」を気にする向きも多いと思うが,70年代のES-175は多かれ少なかれその傾向があるように思われる。実はこのギターもけっこうトップは落ちてきているのだが(おそらく購入時から),弦高やピックアップの高さ調整内の範囲。ハウリングに強いのはトップ落ちによるケガの功名か。

 「アイスティーバースト」といわれる綺麗な色合いがよい。60年代末から70年代前半の頃に特徴的なカラーで,発売時のブラウン部分が退色したものと説明される場合もあるが,疑わしい。最初からこのような色だったのではないか。そういえば,購入直後トイレ休憩に入ったニューヨークのホテルロビーで,見知らぬギターマニアとおぼしき白人のオジサンが寄ってきて,「ちょっとケースの中をを見せてくれ・・・うん,どこで買った?70年代のギブソンサンバーストの色は美しいね・・・グッドラック!」とか言って去っていった,ということがあった。

 フレットが特徴的である。一見,限界まで摺り合わせしてあるのか,という位低く,幅広のフレット。長年,そろそろ交換かな,と思い続けていたが,実はこれ,レスポールでは有名な「フレットレスワンダー」仕様なのではないか,と思いついた(2015年のこと)。事実,「ES-175 fretless wonder」で検索すると,同じようなフレットの画像がヒットする。1970年代前半の特徴ということで,時期的にも符合。ということは結構貴重なのかも,と思い,とりあえずこのままで行くことにした。

(追記)修理・パーツ交換履歴
2008年ブリッジをABR-1に,サドルをグラフテック製に交換。金属ぽい音ではないので相性はよい模様。

2009年12月フロントPUのトーンポットを交換。ガリが生じたため。

2013年ナットを牛骨オイル浸けに交換。オリジナルは意図的に1弦側に寄せてセッティングしてあったため。

2015年2月フロントPUのボリュームポットを交換。ガリが生じたため。はずしたCTS社のポットを確認したところ,1973年製ということが判明した。

2022年1月,コロナ禍でヒマだったので,「魂柱」をDIYで入れてみた。ホームセンターで買った角材を9.9mm(ギター内部・トップ〜バックの距離+5mm)の長さに切ってブリッジ下に入れただけだが,明らかに弦高が上がり,ブリッジを低くすることとなった。つまりわずかにトップが上がったと言える。サウンドは若干セミアコ風の,箱鳴りが押さえられた印象に変化したが,バランスが良く弾きやすいという結果に。何より「これ以上トップは落ちない」という安心感は精神衛生的によろしい。珍しくうまくいった(笑)。しばらく様子を見ることとする。
→結果良好だったので,オクでスプルースの円柱形魂柱を入手,換装。

2023年4月,初めてフレットの摺り合わせを行う。12〜14フレット周辺のビビリにより,弦高を上げ目にしなければならなかったため。これまであまり気にしていなかったが,他のフルアコに比べ運指がきついのを改善しようと考えた。もともと低いフレットなのでかなり難渋したようだが,結果として良好な仕上がり。ただし「次はフレット交換ですよ」と言われた(笑)。

2024年4月,ついにリフレット。早いパッセージに低いフレットでは追従できない場面が生じたため。交換はおそらく1973年の製造後初めてかと。フレットはJim Dunlopより硬度が高いという情報から熟考の末Jescar 45100にした。結果としてもう別のギターに生まれ変わったような感覚。

Ibanez製フルアコ
有名ギタリストのシグネイチャーモデル

ibanez gb-10Ibanez GB-10 1982
(ジョージ・ベンソンモデル)

 
 小型フルアコとして有名なアイバニーズのGB-10。ただしこれは1982年製、「イバニーズ」時代のもの。「フジゲン」製。2006年購入。

 別にジョージ・ベンソンに傾倒しているわけでもないのだが(あんなに弾けるわけがない!)、本器は非ジャズのミュージシャンにも多用されており(フランク・ガンバレとか)、確かなクオリティがあるはず、と踏んだのだ。

 手にしてみると、果たして非常にカッチリした作りで、頑丈そう。ネックもアイバニーズ特有の薄すぎるシェイプではないかと危惧したのだがそんなこともなく、ほどよいグリップで弾きやすい。ただ、重量については期待したほど軽いという印象ではなかった。とはいっても3.6キロ,重いというわけでは全くない。小型で取り回しがよく、ストレスのないプレイを約束してくれる。PUがフローティングでハウリングも心配したが、通常のプレイでは特に問題を感じない。ネックもストレートで、これはアイバニーズフルアコの大きな長所だと思われる。メイプル材のおかげだろう。

 弱点は「ピックガード」。画像をよく見るとフロントPUとリアPUの間の白いバインディングが無いことに気づくと思う。ギブソンのES175などのピックガードは薄いプラスチック材を何層か貼り合わせた構造なのだが、アイバニーズの箱物では鼈甲柄の材の周囲にバインディングを施したデザインになっており、この部分が剥離しやすいわけである。以前所有していたAS-200もそんな症状を呈したが、ネット上で見る本器もしばしばピックガードになんらかの異常が見られる。中には鼈甲部分が「風化した」というようなケースもあるようだ。本器の場合、ピックガードはリアPUを装着するための重要なパーツなので、ここは注意が必要だろう。

 取り回しが良く十分なジャズトーンを供給するGB-10。とりあえずフルアコファンの方は持っておいてよいギターだと言っておきます。

(追記)修理・パーツ交換履歴
2006年 ボリューム・トーンノブをIbanez純正の新品に交換。
Ibanez JP-20Ibanez JP-20 1990
(ジョー・パスモデル)

 
 1990年頃,地元楽器店(←割引しないので有名)で購入。初めてのフルアコ。我々の年代までは「アイバニーズ」でなく「イバニーズ」です。1982〜1990年に生産されたが,その後廃番モデルとなった。私のは購入時期からしても最後期のものである。おそらくフジゲン製ではなくテラダ製。

 ネックの幅が狭く,その分スケールが長い(ストラトと同じ長さ)のだが,弾きやすい。ボディサイズは厚さ含めES175より小振り,1PUというのもシブい。スケールのせいか,非常にピッチがよく,また生音もでかい。ES-175に比べるとアコースティックな感じ。175とは全く異なるサウンド。概して丈夫で,トラスも1回もいじったことはないが異常なし。ただ,ポリエステル塗装というのは無粋。あと,PU(Ibanezオリジナル・Super58)の音は,自分にはふくよかさのない,痩せた音に聞こえる。が,それもまた個性か。

 余談だが,高校生の頃,カタログに「King of guitarです」などとあり,憧れたものだ。ジョー・パス先生,「とにかく軽く」というリクエストをしたらしい。ついでに,「ジョー・パス」は初めて知ったジャズギタリストであるが,しばらくはジム・ホールと区別が付かなかった(笑)。また,この狭い地方ジャズギター界で,このモデルを持っているアマチュアを,自分以外に4人も知っている。当時手の届くまともなフルアコ,しかもジョー・パスも使ってる,というので,皆こぞって手を出したのだろうか。今のメセニーモデルみたいだ。人前で使うとミーハー丸出しなところも。

こちらはジョー・パスの歴代ギターなど写った写真を掲載(英文だが日本のサイト)。ES-175含む。若き日のジョー・パスは髪フサフサでハンサム。

(追記)修理・パーツ交換履歴
ストラップピンをGibson製に交換。オリジナルは大きすぎてストラップの着脱がしにくかったため。



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