レスポール・ヤマハSG
所有するレスポール,ヤマハSGを紹介します。
初めて買ったギターは,ヤマハのSG-1000でした。これが私にとってのギターの原点になっています。後年はストラトタイプも多用するようになりましたが。ただしレスポールを入手したのは極めて遅かったです。

レスポールタイプ
ギブソンのレスポールはとりあえずこの2本です
Gibson 50's Les paul Standard  IceTeaBurst 2006         
Gibson Les paul Standard 50's neck Ice Tea Burst 2006 Gibson Les paul Standard 50's neck Ice Tea Burst 2006
 ついにこの機種に手を出してしまいました,「王道」・レスポールスタンダード。基本的にジャズギタリストである私には関心のないギターであったはずが,その一方で「これを持たずに一生を終えて良いものか?」という気持ちもあり,思い切って2009年3月に購入。使用感のほとんどない中古で15万円程度。

 レスポールといえば「重い」というイメージばかりだったが,最近は内部が「スイスチーズ」だ,「チェンバー」だ,と色んな軽量化が図られており,マニアの熱い議論が展開されているようだ。私はマニアではないので,まずこの「アイスティーバースト」という色合いと,わざとらしくない控えめな虎目に惹かれた。気になる重量は,4.25kg。まあ,レスポールだからこのぐらいはいいだろう,ということで購入。私の場合,4.0Kg以上の重量になると「重い」ギター。50年代の太ネックを再現ということですが,フルアコ使いの私には「どこが?」という程度の太さである。

 ピックアップは「バーストバッカー・プロ」,枯れた感じはなくかなりパワフルな元気のいい音と感じるが,前のレギュラーであった?「Classic」よりもパワーは控えめにしてある模様(本モデルは2002年頃から発売)。
 ピックガードは装着されていないが,ちゃんと付属している。また。入手時にはストラップピンがロックタイプのものだったが,これもちゃんとビンテージタイプのものが付属しており,交換。このあたり,Gibsonも心憎いサービスをするものですな。

 綺麗なギターなので,当初のもくろみ通り家の中だけでコレクションとして扱っている。レスポールへのマニアックなこだわりはありませんが,「アア,オレハれすぽーるヲモッテイルノダ」という安心感を与えてくれる一本。(2010/2/8)

 ところで,レス・ポールモデルのことを調べようとある「中古楽器屋」のサイトを見ていたら,とあるモデルについて「繊細でクリーンな歯切れの良いサウンドを排出」ですと。「排出」=「排泄」なのですが。

(追記)修理・パーツ交換履歴
特になし。フルオリと推定。
Gibson custom shop Les Paul style"f" Quilt top DJ 1996
Gibson custom shop Les Paul style Quilt top DJ
Gibson custom shop Les Paul style Quilt top DJ

 2006年入手。Fホール付きのギブソン・レスポール。いわゆる「セミホロウ」のギターで「ソリッドギター」の項に載せるか迷い,当初はセミアコに分類していたが,ギブソンのレスポール類ということで上のスタンダードとペアをなす位置づけにした。

 これは珍品,「レア!」と言ってよいだろう。10年位前に楽器店で見たことがあったが,中古市場でも滅多に出ないモノだと思われる。雑誌の広告など,常にチェックしているが,年に2〜3本出るか出ないか,といった状況。「レスポール」に関しては,ES-175をデフォにしている自分にはあまり関心のないギターだった。そもそもレスポール自体フルアコを小型化・ソリッド化したデザインと言うことで,ES-175があれば自分には事足りたわけ。しかも重いし。しかし,Fホール付きということは軽量,ジャズっぽい外観となりキルトも非常に美しく,迷うことなく購入。

 重量は3.3キロ,その軽さに驚く。PUは「バーストバッカー」だろうが,艶がありコントロールしやすいトーン。フロントがタイプ2,リアがタイプ3のようである。明らかにソリッドのレスポールとは違うハコっぽいサウンドの要素がある。カスタムショップ製だけあり,塗装の仕上げも上々。ネックは薄くない,しっかりした厚みのあるグリップで,好み。アイドルである渡辺香津美さんあたりが使いそうなモデルだが,実際にこのギターを弾いているプロの方を見たことはない(そういうのは大好きである)。自分にとっては理想的かつ至上のレスポール
Gibson custom shop Les Paul style Quilt top DJ
。「DJ」とは,「ディープジョイント」の意。

 調べたところ,『ギターグラフィック』第6号の新製品紹介の項にでていた。1996年頃スポット的に生産されたものだと思われる。定価は48万円(!)。この色は「ピーコックブルー(peacock blue)」というカラー名のようだが,「エメラルドグリーン」と表現する方がよいかもしれない。他にサンバースト系のフィニッシュもあったようだ。
 あまりにも情報が少ないが,よいギターである。

(追記)雑誌「プレイヤー」1996年9月号で紹介されていた。こちらを参照。この記事によれば,カラーは「ルビー・バースト」とブルーを基調とした「ピーコック」があった,とのこと。すると私のはやはり「ピーコック」なんだろう。「ブルー」という感じはしないのだが。(2008/12/23)

(追記)修理・パーツ交換履歴
2010年2月,ギブソン製PUカバーを装着。

YAMAHA SG
懐かしの1980年代,フュージョンブームの寵児。
YAMAHA SG2000 RS(Red Sunburst ) 1981


 2016年3月購入。ストラト系6本がいささかもてあまし気味になった折,自分の青春時代に憧れだったこのモデルに興味がわき,是非入手しようと決意。

 某リサイクル系のショップで12万円くらいだったのを思い切って注文。その後,「ロッド限界なので79800円でいかがですか」と連絡。熟考の末,承諾。

 到着してみたら,私の感覚ではロッドの締めすぎであった。直ちに調整。したがって相場よりはだいぶ安く入手できたことになる。

 初めて手にしたSG2000だが(不思議と学生時代にこれを持っていた友人・知人はいなかった),やはり独特の金属的なサスティンが特徴。すなわちブラス製のサスティンプレートが効いていて,これにヤマハの古いPSEシリーズのエフェクターなどつなげれば,モロに80年代の音になる。太く伸びやかなフュージョンサウンド。感涙。私はタカナカにはあまり興味が無く,カシオペア派だったが,コンプレッサー+ディストーション(オーバードライブではない)で確かに当時の高中風の音を作れる。

 実はカシオペアの野呂一生氏のサウンドについて,1981〜1982年頃のエフェクターセッティングが当時のギターマガジンに掲載されており,それを再現してみたかったというのも入手動機の一つ。

 バイサウンドは搭載していない。PU裏を確認したところでは,「SG 56.4.23」の文字。1981年製と推定。

 重量は4.45kgほどあり,私のギターの中ではもちろん重量級だが,本モデルはそもそも公称4.5kg(当時のカタログによる)である。実際にはかなりの個体差があり,中には4.8〜4.9kgというのもあるようだ。購入の際には必ず重量を確認することをお勧めしたい。

 私の上の年代が「モズライト」や「ヤマハ・ブルージーンズ」に憧れるのと同様,私の世代(1980年代に高校生・大学生)だとヤマハSGへの思い入れがある人も多いのではなかろうか。

 日本では余り聞いたことがないが,海外のサイトでは"Les Paul killer"と言う表現がよくなされており,なるほどレスポールをベースに改良発展させたモデルとして考えると,よくできているなあと思われる。T-クロス工法といわれるスルーネック構造(トップからはスルーネックとはわかりにくい)など,当時定価15万円というだけの実に手の込んだ作り。重いけど。また,よく言われるPUのパワー過多による繊細なプレイのしにくさ(後のSG3000はそこを改良しようとした)は確かに感じるが,日本のギター史において一時代を築いた記念碑的モデルとして保有。(2016/8/2)

(追記)Kurt Rosenwinkelが2013〜2014年頃同モデルをライブで使用したようである。
(追記2)シンコーミュージック「ヤマハSGグラフィティ」を2018年入手。それによれば,カッタウェイのネック接続部分のバインディングが18フレットに届いていないものは「第3期タイプ3」に分類され,1981年8月以降の出荷ということになるようだ。本器はこの特徴を有している。シリアルナンバー「037***」と合わせ,1981年製と断定。(2018/6/24)
YAMAHA SG1500 PR(Persimmon Red) 1982

 2016年3月購入。
 SG2000を購入後,コレクションのバランスという観点からも,ストラト系2本を放出してもう1本SGを押さえたい,という野望が(私は基本的に同タイプのギターを2本所有することを好む)。で,次はSG1500だろうと。SG1000に行ってもよいのだが,なぜか私は本器に惹かれてしまう。なぜかと顧みるに,高校生の頃本器がデビュー,ギターマガジン誌の広告にカッコ良く登場したのに憧れていたからだった(注※)。もちろん高校生に定価12万円のギターなんか買えるわけもなく,垂涎の思いは無意識下に温存されていたわけだ(多分)。

(注※)初期のギターマガジン裏表紙広告はヤマハの独壇場だった。SG1500が初めてアナウンスされたのは1982年1月号ただし写真無し,同年3月号でジェイドグリーンの本器を抱えた白人男性モデル(シャツも緑)の写真が登場。なお,同年1月号「チェック&リポート」の項ではジェイドグリーンのSG1500を抱えたドヤ顔の野呂一生氏が本器を紹介していて,今読むと面白い。


 とはいえ,同モデルを私は過去に所有していたことがある(「過去の機材」参照)。ただしあれはあまり弾いていてピンとこなかったし,第一色が地味すぎた(「オイルステイン」だった)ので,放出してしまったわけだ。

 SG1500の魅力はその斬新なカラーリングによる所が大きい,と思う(オイルステインは除く)。すなわち,一番人気は「ジェイドグリーン(翡翠の緑)」,次がこの「パーシモンレッド(柿の赤)」である。個人的には赤系のギターは結構好きなので,本器を選んだ経緯がある。

 もちろん,重量にも注意した。お茶の水の某老舗楽器店に9.8万円で出ていたのを確認したら4.4kg弱であると。本器は公称4.3kgであるが,許容範囲と思って注文。手にしたら,何と4.5kg以上あるではないか。愕然としてさすがにこれはクレームしましたね。すると「気に入らぬなら返品せよ」の1点張りで,では気に入らないかと言えば重量以外はそうでもなく,何より入手困難なモデルなので,そのままにしたという苦い経緯がある。しかし,楽器店の店員諸氏は,ほんと社会人としていかがなものか,という場面が多い。楽器の重量くらい正しく量れないのか,と愚痴ったところで冷静に本器を眺めてみる。

・SG2000よりボディ・ネックともに若干薄く,フィット感がある。語られないがSG2000の軽量化を目論んでいたのではないか。
・バインデイングもSG2000より簡素。
・バイサウンド搭載。画像ではわかりにくいがフロントトーンのキャップは散逸。これは前オーナーがフロントPU中心にバイサウンドを頻繁に使用していたことを示す。
・サウンドはSG2000とは異なる。サスティンは劣るがスルーネックの素直な木の音。
・リアPUの塗装はげ。前オーナーがリアPU付近に手を乗せていたか?

とまあ,前オーナーのことまで想像してしまったが,どんな経験を積んだギターなのか考えるのも楽しい。何せ購入時点で三十数年前のギターなのである。何よりこのパーシモンレッドは渋いような派手なような,得も言われぬカラーリングで,魅力的である。

 ちなみに、1982年版カタログには以下の文言。
 「ワン・ピース構造、ノン・ピックガード、固めの音創り、ネックの仕上げにSGのあらたなアプローチをしめすクオリティモデル。バイサウンドシステムも内蔵。」

 ステージで使うことは考えていない,完全にコレクションとしての位置づけだが,本器入手によって私のギター収集に一応のピリオドが打たれた(と思いたい)。(2016/8/2)

(追記)
フロントのトーンノブのキャップ欠落については,購入以来このギターの歴史ということで看過していたが,ふと思い立って交換を考え,「Yamaha sg ノブ」で検索すると,多くの場合オークションサイトがヒット。見ると未使用品4個が実に4千円くらいで取引されている(2020年10月時点)。アホらしくなって地元S村楽器に打診したところ,「現行品でしたら取り寄せ可能ですよ」とのこと。資料本『SGグラフィティ』によればこのノブは「OKH-T」と言う名前らしいが,辛うじて現行の「SG-1802」(ゴールドトップ,ざっと25万円するらしい)に使用されており,取り寄せ可能であった。注文から4日で到着,価格は1個594円(税込み),4個で2376円で入手。したがってオークションよりはかなり低価格でゲットできたことになる。ネットばかり見ていると「店に注文」という初歩的なことを忘れがちであったことを反省。
面白いのは,パッケージに「SG1500/2000MT」と表記されていたこと。(2020/11/7)

(追記2)
フロントピックアップのエスカッションが割れたので,中古品に交換。ピックアップ裏を見ると,「S57.4.20」のスタンプ。本器のリリース時にほぼ該当することが判明。(2021/3/28)

(追記3)
2021年4月,PU切り替えトグルスイッチをSWITCHCRAFT社製ショートタイプに変更。オリジナルの樹脂製箱形シャーシが割れてダメになったため。例によって「インチ・ミリ」問題で悩んだが,とりあえずインチ仕様の本製品で問題なく装着できた。

(追記4)
2021年12月,リアピックアップ交換。単に見栄えの問題(PUカバー部塗装はがれを改善)。オクにてSG1000用のPUが割と格安で入手できたため。こうしてみると,SGシリーズのパーツは今や貴重この上ない。

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