トップ
フルアコ  ストラトキャスタータイプ  テレキャスタータイプ  レスポール・ヤマハSG
その他セミアコ・エレアコ  ベース  アンプ  エフェクター
過去の所有機材  趣味の研究   セッション日記
ベース
 ここでは,私のベースコレクションを紹介します。高校〜大学にかけては主にベーシストであったため,当時はかなりベースのハードウェアに関心がありました。しかしある程度自由な金ができてからは専らギターの購入に励んだため,高価なものはありません。目下の所ジャズベースタイプ3本。

Blade JAZZ BASS Type B2 Blade BW-2 (ネット上での通称B2) ジャズベースタイプ 1993頃

 '01年5月にヤフオクで購入。ブレードは現在生産流通していないと思われるが,90年代は結構いろんなラインナップがあった。『ギターマガジン』1993年1月号・ワタナベ楽器店の広告に載っているのを入札前自分で見つけた。それによれば品番は「BW2」,定価は9.8万円。「2系統の回路を瞬時に切り替え!」とのこと。

 入札時詳細を確認したが出品者はあまり知識がない人らしく,要領を得なかった。しかし使えるベースが欲しかったこともあり,思い切って落札。なんと2.1万円という安さ。こういう場合こそオークションの醍醐味である。しかも,届いてみたら擦り傷すらない,ほぼ新品状態。(余談:落札後,出品者から「入札に間に合わず,是非欲しいと言う人がいる。権利を譲ってもらえないか」との連絡があった。しかし,そんなに欲しいのならあらかじめ額をつぎ込んで入札しておけばよいだけの話,何か不自然。実は予想外の低価格に,売却を渋っているのではないかと思ったりした。むろん断ったが。)

 ボディーはやや小振りなジャズベタイプ。サンバースト塗装のレッド部分がボディを1周しているのが特徴(普通,ピックガード部分は省略される)。材はセン(カタログの表示による)。見かけによらずかなり重い。約4.8kg。ゴールドパーツでゴージャスな印象。指板はフェンダーよりフラットでフレットは超ジャンボ。全体的なバランスは良く,アクティブ回路なので,非常に現代的なサウンド。少々弦がへたってもブライトな音である。ただし電池のことを気にかけるのは私には少々面倒。めったに交換しないが。フレットが高くて,指がすぐ痛くなるが(普段ギターしか弾かないから当然か),良い買い物をしたと思っている。また,'01年韓国での演奏の時お供したのもこのベース。一緒に海外に行った楽器はこれが唯一。これからも活躍が期待される。

改造履歴:特になし。フルオリジナルと推定。

(追記)
○2018年8月,ロッド調整のために初めてネックを外してみたところ,ネックポケットに「BW2」のスタンプを確認(上記のギターマガジン1993年1月号の広告情報と一致)。ネット上では本器は「B2」ということになっているが一応「BW2」を正式機種名として表示しておく。

○2023年5月,久々に人前でベースを弾く機会があり,使用。改めて本器について真面目に調べてみた。ネット上に当時のカタログ画像(比較的後期の物と推測)を発見,記述部を引用しておく。元画像サイズが小さく,読解には非常に苦労した。細部の文言には怪しい部分もあるが大意は伝わっていると思う。(2023/5/14)

BW-2
機能性・信頼性に優れた高水準のスタンダードパーツをBlade流に組み合わせ、中核部であるピックアップ&サーキットにはオリジナルパーツを使ってサウンドを優先したモデルです。PUにはスプリットタイプのBlade MDN-J-IIを使用し、サーキットはトレブル&ベースを2系統備え、ミドルブーストをON/OFFする多機能なサーキットになっています。例えば、トレブル&ベースはボディ表側のコントロールとさらにサーキット内にもうひとつ設けられたプリセットタイプのミニトリマにより、トレブルコントロールにセットされたスイッチポットによって切替えられます。ミドルブーストはベースコントロールにセットされたスイッチポットにより、サウンドキャラクター切替が瞬時にできるようレイアウトされています。

Body:セン Neck:ハードメイプル FINGERBOARD:ローズウッドorメイプル MCHINES:ゴトーFB3L PICKUPS:MDN-J-2×2 BRIDGE:ゴトーGEB-201 CONTROLERS:1V、1PUバランサ、1トレブル、1ベース、アクティブon/offスイッチ、ミドルブーストON/OFFスイッチ HARDWARES:GL(ゴールド) COLOR CODES:MV,OB,SR,HN,N,3TS,オイル,SFR,BLK,SW \98,000

●MV:ミスティヴァイオレット OB:オーシャンブルー SR:サンセットレッド HN:ヒートナチュラル N:ナチュラル 3TS:スリートーンサンバースト SFR:ストロベリーフィールズレッド BLK:ブラック SW:スノーホワイト

▽本体裏のトリマについて,以上の情報から次のように結論する。

1  2     3
○  ○   ○ →1:トレブルEQ  2:ベースEQ  3:ミドルブースト

 これらはカタログの表記にあるように,本体表の4つのノブのうちトレブル・ベースの2つのノブをプッシュし,上がった状態でのみ有効。実際に試した結果は以下の通り。

・本体トレブルノブを上げると1・2がオンになる。1・2ともにフルテンでオフ時よりもむしろトレブルが押さえられた太い音に変化する印象。この時トレブルノブの動作は無効。
・本体ベースノブを上げると3がオンになる。フルテンでオフ時よりも音量が増し,音質は太く変化する印象。この時ベースノブの動作は無効。

私の用途では,1・2・3ともフルテンまたはそれに近いセッティングにしておき,ソロの時等ベースノブを上げることでゲインを稼ぐ,というところ(ほぼ3しか使わない)に落ち着きそうである。

▽カタログから気づいたこと。
・トレブルコントロールノブが「アクティブon/offスイッチ」を兼用していることになっている。聴感上はノブを上げた状態がoffのように感じるが,この時は内部EQが作動している。このEQはパッシブ回路なのだろうか?ちなみに電池なしでは一切音は出ない。
・カラーバリエーションが豊富である。当時のBladeの意欲がかいま見える。ネット上ではシースルー系の単色カラーはよく見るが私の「3TS」はほとんど見たことがない。

▽品番について〜「B-2」と「BW-2」は別物。プッシュ-プルSWで判別。〜
 私のと同スペックの個体について,「B2」とするネット上の記述が多い。ネット上で確認されたカタログは3種類。それによれば「B-2」という品番は確かに存在した。以下、3種類のカタログ(正確な発行年不明。仮に初期・中期・後期としておく)からベースの品番を引用してみる。

初期カタログ:B-1,B-2,B-3,B-4,B-1/5,B-2/5,B-5
中期カタログ:BW-1,BW-2,B-3,B-4,B-5
後期カタログ:BW-2,BT-2,BP-4,BJ-4


 初期カタログの「B-2」はアッシュボディ,ゴールドパーツ,4ノブ,8万円。プッシュ-プルの機構なし
 中期カタログの「BW-2」はセンボディ,ゴールドパーツ,4ノブ,9.8万円。プッシュ-プルの機構あり。色は4種類のみ(MV,OB,あとの2つは読み取れなかった)。
 後期カタログの「BW-2」は中期同様のスペックで前述のように色のバリエーションは9色に及ぶ。

 以上の情報からわかることは
1 「B-2」も「BW-2」も4つのノブを持つが,「B-2」にはプッシュ-プルSWはない。おそらく両者は外見上区別が付かないため,混同され,現在に至るのだろう「W」の追加は,「2系統の回路」を示すためではなかったか,というのが個人的推測である。
2 私の3TSの個体は後期カタログ掲載の「BW-2」である。
3 正確には「B2」「BW2」ではなく「B-2」「BW-2」である(笑)。

 Bladeは(日本では)長期存在したブランドではないのだが,今となっては謎も多い。実は私は最晩期のカタログ(1994年頃と記憶)を所有しているが,そこにはまったく別仕様の「B-2」が掲載されているのであった…。
Fender Japan JB62-75 1982 JVシリアル
Fender Japan JB62-75 1982
FenderJapan JB-62-75

2015年レストア後



1986〜2009年
の状態

 コレクションの中で最も所有期間が長い。1983年2月,地元楽器店で購入。まだ高校2年であった。フェンダージャパン設立は前年7月頃と記憶しているので,これはその最初期型,1982年製と思われる(前年から店に吊してあったので)。ヘッド裏に「75」(定価7万5000円に由来する品番)の青シールが付いている。

 初期のフェンダージャパンは結局は「グレコ」であったので,当時のグレコのカタログの「JB-800」なるモデルが本器と酷似していたのを覚えている。今チェックすると細部のスペックは異なる部分もあったようだが。共通の特徴はリアPUからブリッジにのびるアース線。

 大学2年の頃,オリジナルPUの痩せた音が気になり(当時はそう感じた。カシオペア命!の時代),PUをムーンのオリジナル(「Jaggy」という名称だったか?表面にピラミッド状の凸凹付き樹脂製シールが貼ってある)に交換。かなり豊かな音色になった。が,ボディはおそらく「セン」,異様に厚いポリエステル塗装で,しかしボディの重量はないので(約4kg)トータルではやはり軽く質素な音だと思う。ネック厚は薄目。大学3年の頃,何と自らフレットレスに改造した。その結果,「指が痛い上音程がとりにくい」という事態となり,それ以降ギタリストへ転向したこともあり,長年放置。

 余談だが,初期のフェンダージャパンは「作りがよい」と近年再評価されている。いわゆる「JVシリアル」という奴が珍重されるらしい。このベースもそうなんですが。そこまで良いか?ともあれ国産もビンテージと化す時代になったのは感慨深い。

(追記)
 そろそろ真面目にレストアするか,と考え,改めてチェック。
 ○ネックポケットには「Jul 82'」とボールペンで書いたFenderロゴ入りの黄色のシム?というかシールが貼ってある。また丸にCの赤スタンプも押してある。ネックエンドには鉛筆で「7-10 82」と走り書きがしてあるようだ(10の部分がかすれてよく見えない。あるいは11か)。従って本器はフェンダージャパン設立時の最初期生産と判断していいだろう。
 ○「逆巻きペグ」採用(時計回りで弦を張っていく)である。
 ○ウェブ上でシリアル「JV00003 」という最初期モデルが紹介されているが,それも本器と同じくセンボディーのようである。(2015/9/4)
 ○ネット上の情報をチェックしてみて気になったことが1点。オリジナルのピックアップはUSA製ではなく,国産のビンテージタイプ(配線は布製皮膜)のはずが,いつしか「US製ビンテージタイプ」などと表記するショップやオークション出品者が出現。なぜこんなことになったのかわからないが,いたずらな神話化の一端だろうか。本器を紹介しているとあるサイトでも,無条件でやたらと称揚し(塗装の厚さなどのマイナスポイントには触れていない),その後売りに出したという形跡を発見。要注意!(2015/9/22)

 ○知命を迎えた記念に,自分の原点である本器を2015年11月,ついにレストア完了!ここに,本器の仕様変遷を記録しておく。

・1984年頃:ピックガードを艶なし黒に交換。コントロールパネルおよびノブ類をゴールドパーツに交換。
・1985年頃:ピックガード外す(のち紛失)。ピックアップをムーン製Jaggyに交換。
・1986年頃:フレットレス化。指板をエポキシ処理。このころから放置状態へ。
・1995年頃:ブリッジをシェクター社製ゴールドに交換。
・2009年:レストアを考え始め,ノブを黒プラスチック製へ,スクリュー類を新品へ交換する。
・2015年:フェンダージャパンJV期のピックガードおよびコントロールパネルを入手,交換。Jescar社43080(ビンテージタイプ)へリフレット。ピックアップを"Fender Original Jazz Bass Pickup"に交換。

 こうしてみると,若かりし私は,あまり「オリジナル」という状態に執着していなかったことがわかる。ゴールドパーツに交換したりしたのは確か自分のモデルとして個性を出したかったからだ。フレットレスにしたのはもちろんジャコ・パスとリアスへのあこがれによるもの。当時少ない情報の中から,ギターマガジンに載っていた記事を参考にソニーのエポキシを用いてDIYした覚えがある。実際のジャコのベースは相当精選された船舶用エポキシを何度も塗り重ねたものであったという。

 今となってはジャズベースの"渋み"に魅力を感じるわけで,たまたまJV期のピックガードを入手してみたところ,幸運にもネジ穴が90パーセント以上,つまり11分の10がピッタリであった。経年による適度なヤレ感もあってそのビンテージ感に俄然テンションがあがり,一気にリフレット,PU交換までやることにした。むろんそれなりの費用はかかるが,若い頃の自分の不始末を諭すような気持ちで敢行。

 地元Tokiwa-kaiさんでレストアしてもらったのだが,受け取って音を出した瞬間,本器を購入した1983年にタイムスリップしたかのような感慨があった。各パーツを吟味しただけあって,ほぼオリジナル状態のスペックを再現できたと思う。ただしピックアップだけはオリジナルを紛失してしまったためにフェンダーUSA製のビンテージタイプにしたわけだが,これが評判通りの,いかにもジャズベースらしい音。ステージでガンガン弾くことはないと思うが,これからも大切にしたい思い出の逸品となった。(2015/12/13)
Fernandes The Revival JB-70J 1980年代前半

2022年6月購入。何となくフレットレスベースが欲しくて探していたところ発見、確保。見ての通りわがアイドル、ジャコ・パストリアスさんのジャズベースを模したモノで、1980年代前半に売られていたレアモデル。

 2022年現在、フェルナンデスの「リバイバル」シリーズはジャパンビンテージブーム(笑)とやらでかなり高騰してきているようだが、これは約2万円で買えてしまった。

 状態も木部に大きな傷もなく、そもそもあまり弾かれた形跡を見いだせない。状態良好、ほぼミント状態といって差し支えないが、コントロールノブのメッキがはげている部分だけは年期を感じさせる。ネックポケットにシムがかまされているがオリジナルかどうかは不明。そのままにしてある。重量は4kg弱、ベースとしては軽い。ネックシェイプはフェンダージャパンJVよりかすかに厚めで、むしろこちらのほうが私には弾きやすい。

 前オーナーによるポット交換の素人配線だけは地元リペアショップでやり直してもらい完調となった。

 ジャコ本人は指板にエポキシを塗布してラウンド弦を張っていたようだが、本器の指板は無加工。指板の保護を考慮し、フラットワウンドを張ることにしてみた(ghs precision flats 45-105)。私のイメージするフレットレスの音はきちんと出ている。

 この時期のフェルナンデス、以前所有していたRST-50もそうだったがサンバーストの色合いが実によい。そしてこのJBシェイプはベーシストとして出発した私にはある意味原点であり、見ているだけで心和らぐものである。(2022/8/5)



Copyright (C) since2002 Hammerzak. All Rights Reserved.

inserted by FC2 system