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CHORUS/FLANGER(コーラス・フランジャー)
 クリーン系の音作りには重宝ということで昔は好きだったが,最近はそれほどでもない。1980年代はとにかくコーラス,という流行があった。私は基本的に歪みとは併用しないようにしている。
BOSS BF-2 Flanger  
BOSS Flanger  BF-2
80'S
■世評:○ボスのロングセラー○上品なフランジャー
■私見:確か高校3年頃友人から買ったものなので,私のエフェクターコレクションの中では最古参の一つ。当時はフェイザー,コーラス,フランジャーというのもがそれぞれどんなものなのか全くわからず,カシオペアの桜井哲夫氏(当時の表記はこうだった)が,「スマイル・アゲイン」のイントロに使ってるというコメントがあったので,ベースにもよさそうだ,と導入したのだった(当時私はベース専門)。その後ほとんど使うことはなかったが,2017年のマイブームとして,コーラス,デチューンの代用としてギターに使うことを覚えた。その独特な,フュージョン初期のようなサウンドはフランジャー再評価のきっかけとなった。
BOSS CE-3 Chorus
Boss CE380'S
■世評:温かい、アナログの音。
■私見:発売当時、高校生だった。「メタリックブルー」の塗装色を売りにしていた記憶あり(シンコーミュージック『ボス・ブック』でも、設計者が塗装に金をかけた旨述べている)。ステレオでは位相の違うサウンドを同時に出力できる(モード1)が、試したことはない。1台目は友人に売り、実は2台目。なぜこの機種にこだわったかというと、実は、一種のパラボックスとして使っていたのだ。つまり、モード1でアウトプットAからアンプへ、アウトプットBをチューナーアウトとして使っていたのである。音量が下がるとか、そういうこともなかったように思う。裏技だが。なお、3つのノブ配置はLEDを確認するのに非常に邪魔である(これも『ボス・ブック』で設計者が言及していた)。ACA仕様。(2005/1/23)
○ギターマガジン2022年8月号で山下達郎さんの使用機材として紹介された。
※ギターマガジン1982年12月号に新発売広告。「求む,コーラスCE-1 14,000円ぐらいで」「CE-1を,半分だけお譲りしましょう」のコピー。2つのステレオ方式が売りであった。
BOSS CE-5 Chorus Ensemble
Boss CE5■世評:CH-1に比べ、暖かみがある。
■私見:『ボス・ブック』によれば、「2バンド・フィルターを装備した集大成コーラス」なのだそうだ。個人的には、2連ノブはセッティングに欲が出過ぎて落ち着かず、、あまり好きではない。ギタリスト・松木恒秀氏が使っているのを知り、期待したのだが、そんなに「集大成」というほどの仰々しさ・個性は感じなかった。ごく普通のコーラスサウンドに感じるのですが。なお、CH-1同様、これも「デジタル化疑惑」がある。(2005/1/23)
BOSS CH-1 SUPER Chorus
Boss CH180'S■世評:シャープで操作簡単、良い。1989年発表。
■私見:「Super」が付いているのは、他に「Super Phaser」もあるが、どちらもシンセサイザーなどのデジタル機器に負けないためのシャープさ・クリアさを追求したフシがある。今のアナログ指向とは逆方向。価格から判断してもアナログ回路だと思うが、ネット上では、「後からデジタル化した」という記述が散見される。真実はどうなのか。何にせよ、妙な癖がない、定番的ないいコーラスだとは思う。(2005/1/23)
BOSS DC-2 DimensionC
Boss DC280'S
■世評:素晴らしい!名器。1985年発表。
■私見:レアアイテム、プレミア付きの一品。特異な面構えによるところ大か(エフェクターのルックスにこだわる人はかなり多い)。『ボス・ブック』によれば、独立2系統のコーラス回路とノイズリダクションを内蔵しているとのこと。4つのボタンは、1:レイト長め・エフェクト浅め、2:レイト長め・エフェクト深め、3:レイト短め、エフェクト浅め、4:レイト短め、エフェクト深め、という感じだろうか。ルックスもさることながら、サウンドは非常に濃厚なアナログサウンド。どうせ使うなら、ボタン2か4をお勧めします。ただしアクは強いですよ。これを使えば、通なギタリストと思われること請け合い。(2005/1/23)
BOSS DC-3 Digital Space-D
Boss DC380'S
■世評:キレイな音。「揺れないコーラス」。1988年発表。
■私見:最初は「デジタル・ディメンジョン」という名前だった。「揺れない」とか言われているが、単に普通のデジタルコーラスなので、「レイト」を上げれば揺れます。音はクリア、良くも悪くもデジタルの音。(2005/1/23)
Guyatone PS-002 CHORUS
80'S
■世評:○音はいわゆる普通のコーラス○ギターのスペックによって印象が変わる
IBANEZ DCF10 CHORUS/FLANGER
Ibanez DCF1080'S
■世評:(国内では)ほとんどなし。
■私見:2005年入手。激安で購入したのだが、これはヒットだった。最初は6つもノブがあるので、どうしようかと途方にくれたのだが、偶然にジャズギタリスト、スティーブ・カーンが愛用していることを本人のサイトで知った。セッティングと解説を引用・邦訳させていただきます。

MODE DIAL: Position [3] (4-32 m/sec.)
DELAY TIME: 11 o'clock
SPEED: 12 o'clock
WIDTH: 2 o'clock
DELAY LEVEL: 2 o'clock
REGENERATION: Off

サウンド・コンセプト
 私がこのサウンドで達成しようとしているのは、シングルノートの時にはコーラスがかかっていないかのように、しかしコードを弾いた時にはコーラス音が「開放され」、実に美しいサウンドが存在するようになることです。時には、私はラリー・ヤングの信じがたいオルガンサウンドのようであることを願います…もっとも、私はまだ(彼のサウンドに)近づいてませんが!!!今のところ、単独のペダルとしてはこのサウンドに近づける他の物を見つけられません。
 
 …かなりの絶賛ぶりだ。ラリー・ヤングの音を理想としている、というのが個性的である(ラリー・ヤングはジャズオルガニスト)。実際にこのセッティングを真似たところ、確かに彼のサウンドがした。REGENERATIONをオフにするのは、純粋にコーラスとして使用しているのだろう。これを少し上げてやれば、ややフランジャー的になり、また不思議な音になる。総じて、普通のコーラスに飽きた方には躊躇なくお勧めできる機材である。(2005/1/23)

Ibanez PC10 PRIME DUAL CHORUS
Ibanez PC1080'S
■世評:あまりなし
■私見:2008年入手。DCF10を入手した後、アイバニーズの「10シリーズ」には結構野心的なコーラスがラインナップされていたことを知り、次にこのPC10を入手。モードAは普通の2コントロールのコーラス、モードBはフランジャーとしても使える4コントロールのコーラス、どちらかを選んでエフェクトのオン・オフを行うほか、ABモードではAとBの切り替えをペダルスイッチで行うことができる。なかなか面白い発想だが、・・・プレイ中にコーラスの音を切り替える、という場面がそうそうあるのか、疑問。Bモードで思い切りエグい音にしておいて、飛び道具的に使う、というやり方はありかもしれないが。サウンドはアナログで、エグ味のあるイナタイ印象。おそらく1985年ごろの機種と思われるが、このころはまだエフェクターの未来に夢があって、メーカー各社がユニークな機能を追求していた、そんな時代を反映した機種であるように思う。その後エフェクターは「過去の名機」の再現という方向に変わったような印象がある。「過去の栄光」を懐かしみ、「未来への野心」があまり見られない・・・、これは実は現在の文化情勢にそのまま当てはまるのではないだろうか。と、エフェクター一個から文化史にまで思いをめぐらせてみました。(2009/1/13)
Ibanez TC10 TWIN CAM CHORUS
Ibanez TC10 TWIN CAM CHORUS80'S
■世評:○綺麗なコーラス・サウンドを出すのは結構難しい○Maxon BC-9 BC-01 と似ているが,回路は少々異なる○BOOWY時代,布袋さんが使っていた○BOSSで言う所のディメンション
KORG CHR-1 CHORUS
KORG CHR-1 CHORUS80'S
■世評:○(ショップの宣伝文句)存在感抜群の分厚い音色。モード1では澄みきった爽やかなコーラスサウンドを,モード2ではまるでフラジャーの様なエグいサウンドまで設定可能。○YAMAHA CH-3と同じ。
■私見:モード1でもあまり「爽やか」な感じはしない。太くてフランジャー的な音。
KORG FLG-1 FLANGER
KORG FLG-1 FLANGER80'S
■世評:(有用な言及なし)
■私見:これもやはりYAMAHA FL-01と同じということでよろしいかと。コルグのこのシリーズはヤマハ01シリーズより頑丈で信頼性が高い気がする。アダプターも普通に使えるし,野暮ったい外観も今となっては一周してダサカッコイイ?
Nadine's STEREO CHORUS
80'S
■世評:○(海外サイトから)ヴィンテージヤマハペダルのような素敵な暖かく心地よいコーラス
■私見:使えます。フェイザーもそうだったが、このシリーズには思わぬ拾い物がある印象。※ギターマガジン1981年10月号に広告。「透明感のあるコーラス効果がサウンドを広げるステレオ・コーラス。」
Nadine's STEREO FLANGER
80'S
■世評:○扱いづらい○ノイズ多い○L.A.のネイディーンズ社と日本の椎野總業(Vestax)が共同開発 効きの良い4ノブBBDアナログフランジャーです!
■私見:ギターマガジン1981年10月号に広告。「BBDを採用した特殊回路によりダイナミックなフランジングが可能なステレオ・フランジャー。」
Maxon BC-01 BI-MODE CHORUS
80'S
■世評:○同じ構造のエフェクターとしては、このBC-01のほかにMaxon BC-9、そしてIbanezブランドで発売されていたBI-MODE CHORUS BCLと、TWIN CAM CHORUS TC10○気持ち悪い揺れ方をするキワモノのコーラスとして優秀○speedをzeroにして薄くかけるのがコツ○二つの揺れのスピードの違うコーラスを混ぜることができる代物
Maxon BC-9 BI-MODE CHORUS
80'S
■世評:○2つのLFOと2つのアウトプットジャックにより厚みのある何重にも広がるようなサウンドを出力○アナログならではのリッチな揺らぎ
NEXT CH-700 CHORUS
80'S
■世評:○サウンドはあっさり○太く豊かに暖かく良い揺らぎです
NEXT FL-600 FLANGER
80'S
■世評○太いしエグイし音圧があるがノイズあり○MANUALとFEEDBACKを絞ってコーラスっぽいセッティングにすると結構いい
PEARL CH-02 CHORUS
PEARL CH-02 CHORUS80'S
■世評:○幅広いセッティングが可能。
■私見:1980年代前半,懐かしのパールのサウンドスパイスシリーズ。全機種は無理としても基本的なところは押さえておこうと,下のフランジャーと同時期,2017年に入手。『サウンド・ソース・ブック』によれば「モノながら,多くのコントロールが可能。原音が固く鋭くなる。全てに大きく変化し,セッティングが難しい」とのこと。
Pearl FG-01 Flanger
Pearl FG-01 Flanger80'S
■世評○松原正樹氏が使っていた○(ショップの宣伝文句)=ナチュラルなコーラスサウンドから激しいジェットサウンドまで,非常に幅広い効果が得られる機種○中低音をゴソッと削ぎ取ったような硬質な音になる○ジェットはキツめなんだろうけど,MXRと較べるとやっぱり物足りない○発振系フランジャー
Providence ADC-3 ANADIME CHORUS
■世評:○音は太く、原音忠実。モノラルアウトですが奥行きもあり
■私見:プロビデンスの製品に外れ無し、との信念から入手。特に文句なし。あえてモノラルにしたのはなぜだろう?太くリッチな音が気に入り,2024年メインボード入り。
YAMAHA CH-10M CHORUS
80'S
■世評:○ジミー・ペイジ愛用!○エグイし深いし 扱いやすい○柔らかなアナログコーラスからうねりのあるフランジャーライクなサウンドまで○フランジャーっぽいソリッド感(ジェット効果)を含んだコーラス効果が得られます
■私見:ジミー・ペイジさんはなぜこれを気に入ったのだろう?エフェクトの効きが控えめな気がする。

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